部活中のテニスコート。
熱い熱気のなかそよぐ、束の間の涼しい風。
八面玲瓏
休憩時間、
いつものように、端の方の木陰のベンチで何かを書いている柳先輩。
使っているのは愛用の縦書きのノート。
俺にしてみればかなり使いづらそうだが、先輩はあれがいいという。
そこには数えきれないほどのデータが書き記されているのだろう。
俺は先輩の横に無断で腰を下ろし、膝の上に頭をのせた。
「赤也…。」
柳先輩は一瞬困った顔をしたが、それだけで
気にすることはなく
俺の頭に手をのせ、俺のくせ毛を指で梳く。
そうしてもらうのが俺にとって一番幸せな事であって、一番安らげる時。
このポジションは俺の特等席。
誰が何と言おうが
真田副部長が柳先輩は俺に甘すぎると言っても。
関係ないけど、氷帝の芥川さんにだって、ここは譲れない。
先輩の綴る綺麗な文字を見て俺は言った。
「先輩の字って、綺麗っすよね。」
そう言うと柳先輩はノートを閉じた。
先輩はノートを誰にも見せることはない。
「大丈夫っすよ。俺、先輩の字、草書だから読めないっすから。」
せめて楷書で書いてくれれば…と言ったら、先輩が笑った。
「おまえはどっちにしろ、漢字が多いから読めないのではないか?」
「あーひどい。」
確かにそうかもしれないけど…
「それに、これは『草書』ではなく『行書』だ。」
どう違うんだろう?
「…そんなの、どっちだって良いじゃないっすか////」
俺にはみんな一緒っすよ。
顔が赤らむ。
柳先輩の綺麗な手が、俺の髪を撫でる
先輩は静かに笑う。
綺麗だ…
羨ましいくらい真直ぐで、さらさらな髪も、透き通るような白い肌も…全部
俺はぼーっと先輩を見つめていた。
「本当に綺麗…」
「読めない字がか?」
と笑いながら先輩は言った。
俺は笑顔で、でも真面目な顔で答える
「うん…綺麗だと思う…まるで先輩みたい。」
膝の上から見上げて見るほとんど変わる事の無い先輩の表情は、
逆光でよけいにわからなくても、俺には頬を赤らめる柳先輩がはっきりとわかった。
「男にそんな事言っても誰も喜ばんぞ。」
「だって、本当の事ッスもん。」
ニヤッと笑い、腕を先輩の首元にのばし、抱き締める。
唇が微かに触れる
「好きっすよ。柳先輩…。」
柳先輩は優しく微笑み「俺もだ。」と短い言葉とキスをくれた。
甘い時間に浸る。
「さて、そろそろ俺もおまえも部活に戻らねばならんな。」
そう言って、先輩は髪を触る手を止めた。
「えー俺はもっと先輩と…」一緒に居たいのに…
「しかし、そろそろ玄一郎が、『「たるんどる!」』と…」言いにくるぞと柳先輩が言いかけると…
え?声が二重に…。二人して振り向くと、そこには
ヤッベ
真田副部長が仁王立ち…。
「まったく、休憩時間から姿が見えないと思っていたら、こんな所で油を売っておったか。
もう休憩時間はとっくに終わってるぞ!」
うわぁかなりの御乱心…
「おまえら、そんなに一緒に居たいなら、二人で校外50周でもしてこい!」
それだけ言い残し、真田副部長は俺たちをおいて行ってしまう。
「…すみませんっス。柳先輩…」
シュンとしていると先輩は優しく言った。
「良いんじゃないか?たまにはこういう事も。」
「えっ、でも…50周っすよ?」
「校外50周の間ずっと二人きりだぞ。」
そう笑った。
その笑顔は、あまりにも綺麗で
先輩は、その少ない言葉で
綺麗な表情で
俺を嬉しくする。
「そうっスね。」
ニカッと笑い俺は返事をした。
半端でない練習も、異常なほどの外周量でも
柳先輩と一緒なら…。
えーっと、このお話はきのの友達、けめちゃんへ。
けめちゃんは持って帰って良いですよ。
はじめに言っときますが、赤柳です。柳赤では決してありません。赤柳です。
赤也×柳です。
なんか甘あまになってしまいました。こんなんで良かったのでしょうか?
私、実は赤柳書くの初めてで、二人とも口調がわからなくて困りました(苦笑
はぁ…赤也って可愛いですよね(いきなり何だ
あと、書いてて思ったのですが、
柳さんって『ノートはすべて縦書き』ってとてつもない事を暴露してるんですよ!20.5で。
数学とか、英語はどうするんだろう…?
と言いますか、
色んな事を%で表す彼には、
とてつもなく使いにくいものだと思うのですが…
はっ!もしかして、%で表わさずに、割合で出してるとか?
たとえば72.8%が、七割二分八厘とか?
…かっこいい!(笑
柳さんって不思議な方ですね…。
ああ、次はどんなお話を書きましょうか?
リクありましたら、言っていただけると助かるんですがねぇ。
ではではこの辺で、しつれいします。