放課後のテニスコート
爽やかに駆け抜ける風
テニスラケットをふる彼の姿…
tender
ここ、青春学園の文芸部の部室からはテニスコートがばっちり見える。
窓際に座り、
ノートを開き、
手にはシャーペンを握ってはいてもそれは動く事無く、
私の視線はノートではなく窓の外に注がれてしまう。
視線はいつも一年生の越前リョーマ君を追っている。
「かっこいいよな…」
つい口にしてしまっている。
「部長。」
急に声をかけられてびっくりする
「は、はい?!」
振り向くとそこには親友のがいた。
とは、中学の3年間同じクラスで同じ文芸部の部員である。
「なんだ、かぁ…驚かさないでよ!」
ホッと胸を撫で下ろしたが、は強い口調でいった。
「大丈夫?また、テニスコート見てボーッとしてさ、部誌の締切来週なのよ?わかっ
てるの?」
「はい、わかってます…」
わかってますとも。締切決めたの私だもん。
そう、私たちの部活、文芸部は
2ヵ月に1度みんなの小説やら絵やら漫画やらいろんな物をまとめて部誌と言うものを作っている。
そして、部長である私が締切を決め、当然何か一作品は出さなくてはいけないのだが…
でも、かけないんだもん。
今はそれより気になる事があるから
窓の外でテニスボールを追い掛けてる越前君が気になって仕方ないから…
そう考えながらも、また窓の外を見つめている私を見ては溜息をついた。
「…まったく。あの生意気なガキのどこがいいの?」
あらあらひどい言い様ね。
「だって可愛いじゃない。」
と言い返す。
はぁーとまたため息を吐かれた。
「…そんなに好きなら告白してらっしゃい!」
「嫌よ。できるわけ無いじゃない!」
一応私も彼も図書委員だけど、
彼は1年、私は3年、見たこと有る程度で私の事なんか知らないだろう。
そして何より、私にそんな、告白なんてする勇気なんて有りゃしないのだ。
そして次の週。
なんとか締切までに小説を一本書き終え、他の子達の原稿もあわせてコピーし部誌を作り終えた。
後は部誌を全クラスと図書室に配るだけ。
ああ、今日は小説を朝まで書いてて徹夜明けで寝不足なのだ。
私は両手に持てるだけの部誌を抱えながら
最終下校の放送の響く薄暗い廊下を歩いていた。
眠いなぁと思ってたところで私は何も無い廊下で足をすべらせた。
「いったぁ〜い」
起き上がろうとしたところに
クスッという笑い声。
「ドジだね。先輩。」
と差し出された手。
見上げるとそこには…
「越前くん?」
本当にビックリ!
だって、あれ?何でこんな所にいるの?
「なぜここに?部活じゃないの?」
かなりドキドキで、パニックな私を彼は手を引き、立ち上がらせてくれた。
「教室に忘れ物を取りに来たんっすよ。」
そう言いながら、廊下にちらばった部誌を拾うのを手伝ってくれる。
「これ、どこまで運ぶの?」
そう言って拾った部誌を持って歩きだす。
「え、いいよ。私一人で持てるし…」
「先輩一人にするとまたこけそうだし。」
くすくすと笑われる
「こけません!」
恥ずかしい。
よりにもよって好きな人にあんな所見られたなんて…そりゃ私はドジだけどさ。
でも、少し嬉しかったりする。
越前君って優しいんだなぁ…
「どうしたんっスか?先輩。」
呼び掛けられて我に返る。
いけないいけない。つい見惚れてしまった。
「いや、何でもないよ。でもよく私の名前知ってたね。」
あわてて話題を変える。
「そりゃぁ知ってるっすよ。好きな人の名前くらい。」
あんまりあっさり言ったからはじめは気付かなかったけど…え!?今何ていった?聞き間違い?
「え…今…」
夕日でいっぱいの廊下。
静かで
彼の声だけが静かに響く。
「俺、先輩の事好きなんだけど。」
今度ははっきりと聞こえてしまった。
確かに好きだって言ったよね?
どうしよう。
「ねえ、先輩。俺と付き合ってよ。」
そう言って振り向く姿。
夕日の逆光に彼はいつにも増してかっこよく見える。
そして彼の眼は私をしっかりと見つめている。
緊張してドキドキとうるさい私の心臓をなだめて、
いっぱいいっぱいになりながらもやっとの思いで口を開く。
「私も…好きだよ。」
end
++ あとがき ++
初めて夢小説書きました。
きのの初ドリです☆
こんなんでいいのかなぁ?
一応リクアンケで一番多かった、リョーマちゃんドリを書いてみたんだけど、如何かしら?
なんかはじめに書こうと思ってたのとかなり違ってるんだけど…
ってか前半リョーマちゃん出てこないし(苦笑
はあ、もう少し修業します。
ちなみに題名のtenderは『優しい』って意味のはずです。
それではこれにて、しつれいします。
2004,7,3