オレンジの虎
あたしの幼馴染は・・・女ったらしです。
そして今日も、あたしの部屋でごろごろしながら絶え間なく女の子たちとメールしています。
「へー。由佳ちゃん今お菓子作ってるんだー」
由佳って誰だよ・・・
「おぉ!!沙理奈ちゃんってば今日も部活してるんだ!エライ〜」
違う女だし。っていうか部活中にメールしてくるのは別に偉くないだろ。
「清純はエロい〜」
さっきの『エライ〜』の節にあわせて『エロい〜』と言ってみる。あはは〜結構笑えるかも。
ちょっとニヤニヤしてたらいきなり後ろから引っ張られた。
「わわっ。何すんのさ清純」
「ヤキモチですか、ちゃん♪」
「は?」
「だから、今メールしてる女の子たちにヤキモチかなって思って」
「アホ。んな訳あるか」
「ひどいな〜。ヤキモチ妬いてくれてるのかと思って嬉しかったのに〜」
「はいはい。あたし知らない」
「知っててよ!!」
あたしは別に清純に遊ばれる女になりたくない。だからあえて期待に応える事は口にしないの。
「むーー。ちゃんが最近冷たい」
それが何でか分かってないの?清純・・・。
「ね、何で?俺の事嫌いになっちゃった?」
嫌いになる訳がないよ・・・。むしろ、大好きなのに・・・・・・。
無言を続けていると突然清純ではなくあたしの携帯が鳴った。
無言に堪えられなかったあたしは少しホっとして携帯を開く。
着信:手塚国光
「は?手塚?わー貴重だ!」
電話を掛けてきていた相手はなんと手塚だった。
ちなみにあたしは青学3年。男子テニス部のマネージャーをやらせてもらってます。
手塚が電話を掛けてくることは滅多にない事なので清純の事なんか忘れて意気揚々と通話ボタンを押す。
「もしもしー?」
『か』
「あたしの携帯にかけてるんだから当たり前でしょ・・・」
『あ、いや悪い』
「うん、いいから、何?」
『今年の夏祭り、予定入ってるか?』
夏祭り・・・。チラリと自分の携帯の画面を見つめている清純に目をやった。
どうせ今年も女の子達と行くんだろうな・・・。ため息をついてあたしは手塚に答えた。
「うん、まったく予定入ってないよ」
『そうか。もし、が良ければなのだが、うちの連中がと一緒に行きたいと言い出していて・・・』
申し訳なさそうな手塚の声に何が言いたいのか容易に分かった。
「いいよ、一緒に行こう」
『そ、そうか。すまないな。それじゃあ、明日また』
「うん、じゃあまた明日ね」
みんなと一緒に行くのもいいかもなー。菊ちゃんとかはしゃぎまわりそう・・・。リョーマとかは桃あたりに振り回されるんだろうな・・・。目に浮かぶ光景に苦笑する。
「〜」
空想に浸っていたあたしに清純が声をかける。
「ん、何」
「今の青学の手塚君でしょ?」
「ん、まーね」
「なんて?」
「は?」
「だから何の用でに電話かけてきたのかなって思ってさ」
「何で清純に言わなきゃいけないの」
「・・・・・・・・・・」
いつになく、っていうかここのところ見たことのなかった清純の真剣な目。
「教えてよ」
「な・・夏祭り、一緒に行かないかって・・・」
「え・・・」
「あ、違うよっ。手塚とだけじゃなくって、テニス部のみんなと一緒に」
何で弁解しちゃってるんだろ・・・。
「ダメだよっ」
「え?」
「は俺と一緒にお祭りに行くの!!」
「何ソレ」
あんたは女の子達と行くんじゃないんですか?つか勝手に決めんな馬鹿。
「去年とかそんな事言わなかったじゃん。なのになんで今年はそんな事言うの?」
「だっては俺のなんだもん・・・。だから手塚君たちには絶対あげないのっ!!!」
「あたしは清純の所有物じゃないよ」
何でこんなに自己中なんだコイツは!!そんなんだったら大人しく他の女達と戯れとけ!!!
「俺以外がに触るなんて嫌だから」
「いやそんなんしょっちゅうだから」
「ねえ、は俺の事嫌いになったの?」
「またその質問?」
「返事聞いてないもん」
「嫌いな訳ないでしょ。はいこれで満足?」
「マジで嫌いじゃない?」
「・・・マジマジ。」
「じゃあ、好き?」
「あ゛?」
「だから、俺の事好き?」
はっきし言ってウザいよ・・・。
「はいはい好きだから」
「んじゃ、俺たち両思いだね〜」
「はぁ?」
「は俺が好き、俺もが好き、つまりは両思いでしょ?」
あ、そういう事か。
「あーっと・・・そーね。でも清純と両思いの子なんか大勢居るでしょ」
「居ないよ?」
「嘘つけ」
「だって俺が好きなのはだけだもん」
「何言っちゃってんのさ。色んな女の子に『可愛いね〜』だの、『今度遊ばない?』だの言ってる癖に」
「でも好きだとは言ってないよ?」
・・・・・確かに。清純が好きって言っている子なんか見たことない・・・。
「ね?俺の好きな子はだけ」
「何か腑に落ちない・・・」
「えー?これだけじゃだめなのー?」
「いや誰もそんな事は言ってないんだけどね」
「じゃあ、キスでもしてみる?」
「しない。っていうかしたくない」
「ひどい〜。それが彼氏に向かって言う言葉〜?」
「何で彼氏になってんのよ」
「両思いだって分かったんだからカレカノになって当然っしょ」
「当然じゃなーい!!あたしは女ったらしと付き合う気なんかこれっぽっちもないんだから」
「俺女たらしじゃないよー?」
「自分で気付いてないのかっ!!」
「うん、まったく(キパッ)」
「アホ、やっぱり嫌いじゃ」
「えぇっ?なんでさ」
「少しは自覚しろ自覚!!お前は女ったらしだ!!!」
「えー?どこらへんが?」
「お前の存在が!っていうか空気が!つーかお前の髪の毛一本でさえも女たらしだーー!」
あー。何かもう言ってる事がめちゃくちゃ〜。
「ん〜・・よく分からないけど・・・。直す努力するよ」
分からないでどうやって努力するんだよこのバカ純!!
「ま、夏祭りの事は手塚君にちゃんと断っておいてね?」
「・・・なんか嫌だ・・」
「の事を好きなのは俺しか居ないから」
「その発言ムカつく・・・」
あたしがモテないみたいじゃんか。まぁ、そうだろうけどさ。
「そお?・・じゃあ、俺以上にを好きなやつは居ないから」
「・・・分かった」
「ほんとー?良かったぁ。じゃあしっかりと断っておいてね?夏祭りは俺と一緒に行くんだから」
「ん」
**あとがき**
またまた突発的だな〜・・・。でも題名は気に入ってる。だってオレンジの虎、なんて完璧キヨじゃないですか〜!って自室にあるオレンジ色した虎を見て思ってました。
さて、キヨが友情出演ばっかりで可哀想な気がしたので夢を書いてみたんですけれども。
あの子、女の子大好き〜な子じゃないですか。難しくて・・・。
しかも何故か今回手塚出てきちゃってるし。青学テニス部の皆さんは面倒な事はすべて部長にやらせる人達なので仕方ないんですが(違う)
てなわけで、我侭キヨとくっつきましょう大作戦はこれにて終了でございます・・。や、最初からそんな作戦やってませんけど・・・ね
2004.7.15