ゆっくり、まったりなんて望まない








朝からガヤガヤと煩い教室。
その中の、少し空いた空間はシンとしていた。
伊武くんだ・・・。
テニス部はガラが悪いって噂で、そんなテニス部に入っている伊武くんは他の人からは敬遠されがちだ。
・・・・・・・・・・・・・・・・だけど。
ホントはめちゃくちゃ面白い人ナンデス・・・!!あのボヤキが!!!一回聞いたらもう病みつきだってば。
「おっはよー。伊武くん!!!」
今日も一応私は元気に伊武くんのご挨拶。ってか席隣だしね。
「・・・・・・・・おはよ」
伊武くんに普通に話しかける私に自然とみんなからの視線は集まる。
しかも、なにやら変な話し声も聞こえてくる。まぁ、慣れてるけどね。
さん、伊武くんにまた話しかけてるよ』
『多分悪の仲間なんでしょ。』
『うっわコワッ』
・・・・・・気にしない気にしない・・・。
「ねぇ・・・」
あんなの気にしてたらこの先持たないし!!!!伊武くんの良さを知らない人は知らんでよし!!
「ねえってば」
ふいに肩を叩かれた。
「う゛?」
伊武くんがめっちゃこっち見てました・・・・・。
「人が折角話しかけてるのに聞こえないフリって、ちょっとムカつくよなぁ」
「え、あ。嘘ッ。ゴメン、何?」
「君さ、俺の事恐くないワケ?」
「・・・はぁ?」
「他の奴らは俺にあんま話しかけないし。話しかけるって言ったらテニス部の奴らくらいだと思う・・・」
「確かにね〜、テニス部の噂はスゴイからね」
「だから、そんな噂知ってるんだったら何で俺に話しかけるワケ?」
「ダメ?」
「・・・・そうじゃなくて、怖がらないの?」
「だって噂でしょ?」
あんな面白い事を言う人が悪い奴なワケないじゃないのさ!!と、言うような目で伊武くんを見たら彼は驚いたような顔をしていた。
「やっだーあたしあんなの真に受ける人間じゃないってば」
「へー・・・」
「・・・何・・」
「君、結構面白いんだね」
いやいや伊武くんのが絶対面白いよ!!(心の中でこだわる女)
「そお?」
「うん」
「ね、他のテニス部の人達ってどんな人?やっぱ、面白い?」
伊武くん並みに面白いならあたし絶対友達になってやる。
「・・・橘さんは面白いとか分かんない。だけど尊敬してるし。妹が2年に居る」
「あぁ。杏ちゃん、だっけ?可愛いよね〜あの子。あたしあの子と友達になりたーい」
「・・・・勝手になればいいじゃん」
「うわ、伊武くん冷たー」
「で、その妹の事を好きとか何とか言ってるのが神尾って奴。走ってばっかでウザい」
「それは伊武くんキツいよ・・・」
「デカいのが石田で、そのダブルスペアが桜井。リーゼントっぽい髪型でなんかどっか変」
伊武くんも人の事言えないじゃん!!(とても口に出しては言えないけど)
「で、ずっと帽子を被ったままなのが内村。っていうかアイツはチビ」
「え、テニス部ではチビかもしれないけど結構平均並みじゃない・・・?」
「後ろ髪が少し長いのが森」
「う、後ろ髪・・・?」
っていうか身長の話は無視!?
「でも、なんかみんな面白そうだね。伊武くん、その人たちに会わせてよー」
「・・・・ヤダ」
えぇ゛!!何でさ。
「でも・・・」
あ、条件付きならオッケーなの!?
「君が俺の彼女になるって言うんだったら、紹介も兼ねてアイツらと会わせてもいい」
・・・・・・え?かの・・じょ?彼女って、あの彼女ですか!?えーえーえーえー!!
何でいきなりそーゆー展開!?
「そうじゃなかったら・・・アイツら君の事狙いそうだからダメ」
「っていうか伊武くんは何でそんなノウノウとしてんの!?」
「何で君みたいに慌てなくちゃいけないワケ?」
「う゛ぅ〜〜・・・・」
「で?どうする?」
どうするって・・・。伊武くんの事嫌いじゃないし・・・。
「その条件のった!!」
と言うワケでさっさと答えると、伊武くんはぎこちなく笑って(多分滅多に笑わないんだろう)
「そ」
とだけ言った。












「あ゛あぁぁぁぁ!!?深司に彼女ぉ!?」
「ありえねー!!ありえねー。明日はきっと嵐だ!!」
場所は変わって屋上。ついでに時間も変わってお昼休みです。
「うるさい神尾、桜井」
「でも橘さん!!あの深司ですよ?」
「・・・・深司も人の子だったんだろう」
うわー何気に橘先輩って毒吐かなかった?今。
ただ、深司は興味無さそうに壁に寄りかかって座っていた。あ、名前?うん、今日の二時間目にそう呼べって言われたからね。
早くもデレデレでごめんなさい。
そして、お昼休みにはみんな屋上にいつも居るんだって深司が言ったから、お昼休みになって速効二人で屋上にきた。
うーん。予想以上にみんな濃いなぁ。もっと薄い感じがしてたんだけど。
「いいじゃない。可愛い子だし。あたしは橘杏。よろしくね、ちゃん?」
あぁ!!念願の杏ちゃんだ!!とっても幸せデス。
「よろしく、杏ちゃん」
それからはワラワラと全員が挨拶してくれて、無事、全員と友達になる事が出来たのでした。
それもこれも深司のおかげだね〜。













* あとがき *

 

み、峰。またまた峰を書いちまった。
深司たちは別にクラスで恐れられては居ませんよね。うん、現実として考えればその確率は少ないんだけど、なんかこういう設定でやってみたかった(またかよ)
あ、そうそう。深司の驚いた顔は私にとっての萌えポイントですv(何
滅多に表情変えないけど、時折見せるそんな所が彼の魅力なのでした。ってそれは峰だと神尾と杏ちゃん以外みんなに言えるかなあ?(言えないって)
                                 2004.9.4