ホスト部の真実
――後編――
「よし、じゃあ行こっか。もしかしたら練習終了させてくれるかもっ!!そしたらデートの時間が増えるゾ!」
歩きながら由麻が意気揚々と話す。
「あんまり期待しない方がいいわよ」
理美が由麻に言った。
「あれが部長じゃねぇ」
「何よ、文句ある?実はすごい優しいんだからね?」
夏実が由麻を睨む。
「別に意地悪だなんて言ってないもーん」
いつものごとく軽〜く受け流す由麻。アンタらホントいいコンビだわ。
「だからね、。口に出して喋ってよ」
が懲りずに突っ込んでくる。
「だーってよく分かんないうちに事が進展していってるんだもん」
「なぁ、自分名前なんて言うん?」
「は?って、えーっとぉ、その前にあなたは誰?」
「ああ、堪忍。俺は忍足侑士言うんよ。おっしーって呼んだってな〜」
おだやかに微笑みながら忍足君って人は名乗った。
「そー。初めまして忍足君。あたしは。」
「えー、おっしー呼んでくれないん?つれへんわぁ。まぁ、よろしくなぁ、」
「連れるも何もあたし、別に親しくないしね。今日で会うのは最後じゃない?っていうか呼び捨ては止めてよ」
あたし別にこの人タイプじゃないなぁ〜。言うならさっきの赤い髪の子とか、上目遣いの子とかかな?
実はもこういう可愛い子がタイプなんだよね〜。まぁ、菊丸も可愛いか。
でも、周助とは反対ね。でもやっぱり周助が好きだなぁ。そう思ったら自然に笑みが広がった。理想と現実は違うって言うしね。
「えぇなぁ〜、自分。なぁ、彼氏と別れて俺と付き合わへん?」
「はぁ?」
「俺、自分みたいのめっちゃタイプやねん。なぁ、俺と付き合わへん?」
わー。軽い。あたし軽いのってマジ嫌。
「絶対、嫌」
軽く睨みながら突っぱねる。すると笑い声が上がった。
「あははははっ。侑士振られてやんのーっ。ジロー、ジロー、見てみろよ、侑士が振られたぜっ?」
「えーマジマジ?俺初めて見たかもー。よっぽど彼氏がいい男なんじゃないー?」
あー、まぁいい男だと思うわよ。この人よりは。
「そりゃそうだよねっ。あれは人気あるもん、ベスト3には入るっしょ?」
由麻が茶化す。
「はいはい。どうでもいいでしょ。着いたわよ」
割って入ってきたのは杏。気が付けば青学の校門前だった。
「えー?彼氏らみんな青学なん?それやったら思い当たる顔が何個かあるわ・・」
「もう顔見知りですしね・・・」
「一人怖いの居るしな・・」
「俺たちレベルの顔が仰山おるしな・・」
「テニスは負けたし」
何故かどんどん沈んでいく男の子達。
「テニス?あなたたちもテニスしてるの?」
「まー、ね。もう俺ダメ、眠くなったよ」
あームニャムニャしてるっ。可愛いっっ。
「ね、君ちょっと肩貸してね。もう動けない・・」
思わずずっと見ていたらその子は肩に寄りかかってきた。わー、弟みたいだな〜。ってかこんな子供欲しいかも。
「あーあー。、彼氏に見られたらヤバいんじゃない?」
「・・。やっちゃった。」
「仕方ないわよ。不可抗力だもの」
「そうね・・」
それで済まないときもあるけど・・・。
「よし、さっさと行こうっ。練習早く切り上げさせようよ〜」
「ま、ええわ。久しぶりに青学の連中に会いたかったところやしっ」
「菊丸、跳べるようになったかな?」
ナンパは諦めたのか元気になったホストな人達。
「菊丸・・?英二の事知ってるの?」
「あぁ、まぁ、俺のライバルってところかな」
赤毛の子が答える。菊丸と繋がりあったんだね〜。
「何かみんな歩くの遅いね。あたし先にコートに行ってみんなに知らせてくるよ」
理美が走り出した。
「あ、じゃああたしも〜」
佐奈も一緒に走っていった。っていうか重たいなぁ〜、この子。
「ねぇ、この子起きないの?」。
「あ?あぁ、おい、ジロー・・。って言っても俺じゃ起こせねーわっ。ゴメンな」
赤毛の男の子がまた答えた。
「仕方ないっか・・」
言ってる間にコートに着いた。
「やっぱりテニス部か」
ずっと黙っていた偉そうな男の子が口を開いた。
「せやなぁ。青学で俺たちレベルって言ったらここと、あとサッカー部に数名やしな」
苦笑しながら忍足君が言う。あ、今の顔はカッコよかった。(ぉぃ)
あ、周助たちが理美たちに言われて気が付いたみたい。そして横の男の子たちを見て顔を曇らせた。そりゃね、彼女たちが別の男の子と一緒に居たらそうだろう。
フェンスを空けてレギュラーのみんなが出てきた。こっちに向かって歩いてくる。
横で理美達が焦ったように何かを喋っているから何か勘違いをしたのかな?あ、みんな立ち止まった。佐奈の方を振り返って、みんな笑い出したぁ!?訳分かんない・・・。て、手塚まで苦笑してるっ!これは貴重ね。
佐奈は海堂に頭を撫でられて嬉しそう。ってそこじゃないか。
「ねー、ぁ?」
「うん、どうしたの」
「何でみんな爆笑してるのかねー?」
「面白いことがあったからじゃない?」
「・・・んなあっさりと・・・・・・・」
周助たちはもう目の前に居た。早っっっ!!
「久しぶりだね、氷帝」
周助がにっこり笑いながら声をかける。
「あぁ。まぁ、せやな」
「手塚」
「跡部・・・」
あれ?偉そうな人が手塚と喋ってる。仲良いのかねぇ?
「〜〜〜」
菊丸はさっそくに抱きつき・・。毎回毎回よくやるわ・・。
「え、英二、苦しっ」
「あ、ごめんにゃ。っていうかみんな氷帝に変な事されなかったっ?」
あたしたちを見回して菊丸は問う。
「「「「「「「「別に」」」」」」」」
「そ、良かった。ってぇ!!ちゃん、別に、じゃないにゃ!」
菊丸はあたし、じゃなくての後ろを指差す。
え?ああっ。金髪の子か・・。
「はあ・・ホントだね。ねぇ、忍足、早くに引っ付いてるのを剥がさないと・・・(開眼」
周助がため息をついて忍足君にむけて言葉を放った。その瞬間忍足はビクっとして
「わ、分かったで」
頷き、あたしからジローを剥がした。それでも起きない・・・!すごいなぁ。目を丸くしていると周助があたしの腕を取って引き寄せた。そのまま腕に包み込まれる。
「わわっ」
「ゴメンね、は僕のだから」
あーあーあーあー。出ちゃったよ。周助って爽やかな感じがするけど実はすごく独占欲が強いのよね。
周助だから許すけどさ・・・
「なんや、やっぱり不二のやってんか」
忍足君が呟く。
「周助、分かったから離して?」
顔の半分くらいが腕で埋まっちゃってるのよ。息苦しいっつの。
「どうしよっかな」
「こらこらこらこらこらこらこらこらこらこら!どうしよっかなじゃなくて離してよ」
「分かったよ。」
ふわっと視界が開ける。周助の独占欲はいつになったら直るのかねぇ?
「おい、お前ら」
手塚と話してたあの人がこっちに向き直った。
「何やー?跡部」
あ、跡部っていうのね。うんうん。
「そろそろ帰るぞ。」
「ああ、せやな」
「え、何帰んの?っていうか何しに来たんだっけ?」
「ホンマに岳人はお馬鹿さんやなー。もう忘れたんか?」
「な、何だよ、クソクソ侑士!!」
か・・・・可愛い!!!思わずあたしと同じで可愛いもの好きのと顔を見合わせる。
「・・・」
「・・・・・・」
「「可愛い!!」」
「あんな可愛いのって見たことないよっ」
「ね、名前、さっき岳人って言ったよね?」
が赤毛の男の子に聞く。
「あ、ああ。岳人だけど」
「あたしは」
「あたしは」
「「よろしく!」」
二人して手を差し出す。
「よ、よろしく・・・」
恐る恐るといった感じであたしたちの手を取る。
「あーもう可愛い!!」
「ホントにみんなと同い年?むっさいのと並べたくない〜」
あたしとは岳人の手を片方ずつ持ってもてあそぶ。
と、その瞬間 バゴッ
「「あいったぁ!!」」
「」
「」
彼氏様方がにこりと笑いながら脳天チョップをかましてきました・・・。い、痛ひ・・・
「そ・・そんなら俺らはもう帰るわな・・・・」
「うん、またね」
周助は忍足君に向き直って手をひらりと振る。
「ああ、それじゃあな」
最後に跡部って人も踵を帰した。岳人もピョンピョン跳ねながら忍足君の横に並んでいる。おっと、見送っている場合じゃなかった。
「またね〜岳人!」
「今度遊ぼうね〜!」
と二人で手を振る。すると岳人君はクルっと振り返って笑って手を振り替えしてくれた。
「「うわー。反則・・可愛すぎる・・・・・・・・・」」
バッコッ
「「いったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」」
「何すんのさっ」
「さっきからバコバコ叩いたりして!ワケ分かんない!!」
すると周助と菊丸は叩いた手をプラプラさせながら答えた。
「二人にはちゃんと彼氏が居るでしょ」
「っていうか何で向日なんだにゃ!」
うん?居るよね。彼氏は・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あっ!
「「・・・ヤキモチ?」」
とあたしの声がハモる。やっぱりそれしか考えられないよね。
「ってわぁぁぁぁ!ストップストップ!!!」
「石持って追いかけて来ないで!!」
さっきの発言はヤバかったのかなぁ?周助たちがそこらの石をひょいと掴んでにっこりとしたまま近寄ってきていた。身の危険を感じたあたしとは同時に走り出す。
「それじゃあ、手塚たちは遊びに行っておいでよ。僕と英二はちょっと用があるから」
「ゴメンにゃ」
ちっとも申し訳なさそうじゃなく手塚たちに言ってあたしたちの方へ向き直る。
「あ、ああ・・・たちにもよろしく言っておいてくれ」
「うん」
手塚の答えを確認すると二人はあたしたちの方へ向かって走り出した。
わーわーーーーーーーー!誰か助けようよ。見てないで助けようよ〜〜!!
「・・・たち、生きて帰ってくるかな?」
「あの二人は可愛いものが目の前にあると周りが見えなくなるからね・・・」
「直りそうもないよね」
「ま、ほっといた方がいいね」
「そうだね。もう、行こうか」
残った16人はもう小さくなっている友達4人を眺めながら平和にそう呟いて歩き出した。
**あとがき**
終わった・・・。こんなに苦労したのは初めてだぁ〜最後が微妙。
石持って追いかけてくる彼氏たちって一体どんな奴らなんだよ・・・・・・。絶対嫌だ。
そしていつも可哀想な役回りでゴメンねホストっ子。
ホストは絡み役に使うことが多いからっていうかそれが好きなんです。
そしてがっくん、あたしはただ忍足にあなたの事を「お馬鹿さんやなー」って言わせたかっただけなんだよ。
だって萌えじゃんお馬鹿ながっくん!!(ヤメロ
はい、今回は自分の趣味をすべて詰め込んだものなのでパンパンはちきれそうな感じです。
リクアンケで続きを読みたいって言われたんですけど具体的にどんな内容か分からなかったもので・・・。
こんなんでいかがでしょうか?
こんなんじゃない!ってご要望がおありでしたらまたリクアンケの方でリクエストしてくださいね。
2004.7.8